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米国発の金融市場の混乱は、信用収縮、レバレッジ解消による流動性危機を経て金融危機から実体経済の収縮を伴う世界経済問題へと発展しました。米政府を筆頭に、各国政府は様々な対応策を打ち出しましたが、雇用や消費、生産活動といった実体経済の悪化が顕在化し、デフォルトリスクは金融機関のみならず一般事業会社の間でも高まってきています。市場は株式を筆頭に9月後半より急落に見舞われ、以来ボラティリティは高留まりしています。
そうした中、運用機関は弱気相場の中にも投資機会を見出し、それぞれの投資哲学を逸脱しない範囲で柔軟にポートフォリオの運営を行っています。2008年12月度「運用機関の投資展望調査」(調査期間:11月21日~11月28日)では、全般的に強気センチメントが上昇していることが確認されました。これは市場の底入れ時期が近づいてきていることを示唆するものかもしれません。日本株式を割安と回答した運用機関は、回答を頂いた運用機関52社のうち71%に達し、適正と回答した25%を大幅に上回る結果となりました。
他の資産クラスを見ると、強気割合が弱気割合を上回った資産クラスは、調査対象の10資産のうち5資産に上りました。また、7資産クラスで強気の割合が前回調査の水準を上回りました。特に、日本円(対ドル)、事業債(投資適格債)、日本国債の3つの資産クラスにおいては、強気割合が調査開始以来最高となりました。運用機関は債券に対する関心度合を高めてきていると言えます。外国株式およびエマージング株式市場については、依然強気割合が弱気割合を上回るものの、強気度合いは以前より低下しました。
セクター別では、運用機関は、ディフェンシブセクターやバランスシートが健全な優良銘柄を選好しており、生活必需品、公益、ヘルスケアセクターにおいて強気割合が上昇しています。一方、一般事業会社、素材、エネルギーなどの景気敏感セクターや商品関連セクターに対しては弱気の割合が多くなっています。景気の先行き不安と世界需要の減退観測が、これら景気敏感セクターに対するセンチメントを圧迫しています。金融セクターに対しては、強気と弱気の見通しが拮抗しており、運用機関が金融危機の趨勢を見極めようと目を凝らし、投資タイミングを窺っている状況が浮き彫りとなりました。
日本株式の今後の見通しについては、運用機関の81%が今後12ヶ月で好転すると回答しており、20%以上の上昇を予想している運用機関は約30%に上ります。ただ、世界経済はここ暫くは脆弱な状態が続き市場が負のセンチメントに覆われる可能性が高いことから、短期的にはボラティリティの高い相場展開が予想されます。強気相場に転じるまで、彼らは現在の弱気相場が提供する投資機会を最大限活用することに注力する姿勢を打ち出しています。
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