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一つの投信だけで大丈夫?                                                                  Vol. 2

プロである投資信託の運用会社であっても、常に市場平均を上回る運用成績を挙げられるわけではありません。一つの投資信託を買っただけでは、相場環境によって運用成績が芳しくないこともありえます。
運用会社が銘柄を選ぶ方法にはいくつかのパターンがあり、パターンによって有利な時期、不利な時期があります。こうしたパターンは一般的に「運用スタイル」と呼ばれています。例えば株式の場合、代表的な運用スタイルとしてグロース(成長)型やバリュー(割安)型などがあります。
どの運用スタイルで運用した時に最もよい成果があがるかを、事前に予測することはまず不可能です。運用スタイルの異なる複数の投資信託をバランスよく選んで投資しましょう。

 

一つの投資信託を買うだけでいいの?

「少し日本株式の投資信託を買ってみようかな」、という問いについて、再び考えてみたいと思います。あなたは自分が一番よいと思った投資信託を一つ選びますか?まずは、図1をご覧ください。これは、ある企業の最近3ヶ月間の株価の推移です。


東証株価指数(TOPIX)で見た、日本の株式市場は平均的にはこの3ヶ月間、約4%高くなりましたが、A社の株価は8月に入ってから急落し、3ヶ月の間に10%近く下がっています。もし、あなたが選んだ投資信託がA社のような銘柄ばかりに投資をしていたら、せっかく買ったあなたの投資信託も痛んでしまいますね。
ところがこのA社、1年前には、反対に平均的な株価を大きく上回って株価が上昇した時期がありました。図2をご覧ください。


この時期であれば、あなたの選んだ投資信託がA社に投資していたことは、よい結果となっていたでしょう。このように、投資信託を運用する運用会社がいくらプロだと言っても、いつも市場平均を上回る成績を挙げられるわけではありません。実は、同じ日本株式でも、運用会社には、相場によって、成果をあげやすい、いわば得意な時期と、成果をあげにくい、いわば苦手な時期があります。このため、一つの投資信託を買っただけでは相場によって一喜一憂することになりがちです。

運用スタイルって何? 何が違うの?

現在、日本には東証一部だけでも1,500を超える企業が上場しています。日本株の投資信託を運用する運用会社は、これらのたくさんの銘柄の中から、この先、株価が平均以上に上がると考える企業を選んで投資します。この時、運用会社は、何を決め手に投資する企業を選ぶのでしょう。
これまでの経験から、運用会社が投資する銘柄を選ぶ方法・・・つまり、何に注目して投資する企業を選ぶか・・・については、いくつかのパターンがあることがわかっています。これが「運用スタイル」というもので、アメリカでは1970年代から意識されるようになりました。株式の運用スタイルは主にグロース(成長)型、バリュー(割安)型、マーケット・オリエンテッド(市場)型、小型の4つにわけられます。

 
  1. グロース(成長)型:グロース型の運用会社は、将来、他社に比べて利益が伸びることが期待できる企業を見つけて投資します。あるいは、丹念に調査をした結果、多くの人が予想しているよりも、その企業の利益は増えそうだと思えば投資をします。投資対象となる銘柄は、ハイテク産業や医薬品メーカー、小売業などに多いです。

  2. バリュー(割安)型:バリュー型の運用会社は、ある企業の株価に着目した投資を行います。企業の持っている資産や企業の収益性から見れば、本来はもっと株価は高くてもよいはずなのに、市場から嫌われているなど、何らかの理由で安く放置されているような銘柄を探します。投資対象となる銘柄は、素材産業や金融業、電力会社などに多いです

  3. マーケット・オリエンテッド(市場)型:マーケット・オリエンテッド型の運用会社は、グロース型でもバリュー型のどちらかにいつも偏るということはなく、いわば中間的な存在です。

  4. 小型:小型株の運用会社は、時価総額*で見た規模の小さい企業に投資をします。小さい企業の中には、若くて成長著しい企業もあるでしょうし、企業そのものは古くてもあまり大きくならない企業もあります。投資対象となる銘柄は、機械メーカー、小売業、サービス業などに多いです。


なぜ運用スタイルの分散って大切なの?

どの運用スタイルで運用した時に最も成果があがるか、常に予測できればよいのですが、実際には、時期によってグロース型が有利になったり、バリュー型が有利になったりして、運用スタイルの好不調が入れ替わるため、あらかじめ次に有利な運用スタイルがどれかをあてることはまず不可能です。冒頭に、一つの投資信託を買っただけでは、相場によって一喜一憂することになりがち、と申し上げました。もし、あなたがよいと思って投資した投資信託がグロース型の運用スタイルによるもので、しかしながら相場はバリュー型の「運用スタイル」の方が成果をあげやすい時期だったとしたら・・・結果はおわかりでしょう。 投資信託の成績に一喜一憂するのは、忙しいあなたの時間がもったいなくないですか?その時々の旬の「運用スタイル」を判断することがとても難しい以上、運用スタイルの異なる投資信託をバランスよく選んで、ゆったり構えて投資をしましょう。

*ある企業の価値をある時点の株価をもとに評価したもので、これまでにその企業が発行した株式の数に株価をかけたもの。

以上
 
 
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