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債券の投資スタイルについて |
Vol. 12 |
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質問: |
株式の投資スタイル(Vol.11「投資スタイルって何?」参照)にグロース(成長)型とバリュー(割安)型があるのは分かりましたが、債券のファンドもグロースとバリューの商品があるのでしょうか? |
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回答: |
債券のアクティブ運用では、株式のような切り口で投資スタイルの分類はできません。そもそも債券にとって、国や企業等の発行体が持つ成長性というものは大きな要素ではありません。 |
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債券と企業(発行体)の成長性の関係 |
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株式投資において、企業の成長性というのは株価を変動させる大きな要因の一つです。成長を続けている間は当該企業の価値が上昇し、それが株価に反映されることになります。一方、債券の場合はどうでしょう。企業が成長を続けたからといって、受け取る利息が増えるわけではありません。発行時に定められた条件にしたがって、約束どおりに利息が支払われ、また償還時には元本が返済されます。債券の場合は発行体の成長性よりも「元利金を確実に返済できるかどうか」がポイントであって、成長性は債券にとって直接の関係はない要素と言えます。企業等の発行体を調査する場合もその点に絞って調査することになります。そういった観点からは、一般的に「財務基盤が脆弱だが成長性のある新興企業」よりも、「財務基盤がしっかりとした成熟企業」が発行する債券の方がよいということです。したがって、債券において「グロース(成長)型」と「バリュー(割安)型」という投資スタイルの分類方法には意味がないのです。
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債券の投資スタイルを定義する切り口 |
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債券の投資スタイルを語る場合に、一般的に用いられる切り口の1つに「超過収益(ベンチマークを上回る収益)の源泉」というものがあります。
超過収益の源泉
ベンチマークを上回るリターン、つまり超過収益の源泉をどこに求めるかに応じて、「デュレーション戦略」や「銘柄選択」などの様々な運用戦略があります(『参考
』ご参照)。複数の運用戦略を併用するのが一般的ですが、何を主な超過収益の源泉とし、そのためにどの戦略に重きを置くかが投資スタイルによって異なります。
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債券のファンドと名称 |
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ただ、ファンドの名称からその投資スタイルや運用戦略を見極めるのは非常に困難です。例えば、「○○日本債券ファンド」、「△△グローバル債券ファンド」等、投資対象としている地域を特定できる程度です。
下表は債券ファンドにおいて一般的に用いられる運用戦略をまとめたものです。 |
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投資対象 |
単一国 |
複数国 |
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国債 |
デュレーション
イールドカーブ |
デュレーション
イールドカーブ
通貨配分 |
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国債および社債等 |
デュレーション
イールドカーブ
種別選択
銘柄選択 |
デュレーション
イールドカーブ
通貨配分
種別選択
銘柄選択 |
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日本の国債に投資をするファンドであれば、その超過収益源泉はデュレーションとイールドカーブのみということになります。世界の債券に投資するファンドであれば、それに加えて通貨配分が加わります。それに社債等、国債以外の債券が加わると債券の種別配分と銘柄選択が加わります。株式の場合は銘柄の数だけ分散効果がありますが債券の場合同じ国債であれば、銘柄が異なっても分散効果はほとんどありません。金利が変動すれば、どの国債も同じ方向に価格が変化します。債券における銘柄選択とは社債等に限られることとなり、日本国債のみに投資するファンドの場合は、デュレーションとイールドカーブという2つの要因でほぼリターンが決まることになります。したがって債券での運用においては
、複数の運用戦略をバランスよく持つということが分散効果を得るためには重要なポイントとなります。
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ではどうすればいいのでしょうか? |
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ファンドの投資対象を見ることで、ある程度運用戦略が見えてくるというお話を致しましたが、デュレーション戦略に優れた運用会社が必ずしも通貨配分戦略において優れているとは限りません。同様に、銘柄選択において優れた運用会社がデュレーション戦略において優れているとは限りません。これは債券の運用を得意とする会社であっても、得意とする運用戦略が異なる場合があるからです。したがって、投資スタイル毎に優秀な運用会社を選択し、それらを最適な割合で組み合わせるのが理想的です。 |
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しかしながら、個人投資家の皆様がご自身で実行することは現実的にはかなり困難です。それぞれの運用戦略を得意とする複数の運用会社を組み合わせ、ファンド全体として運用戦略の分散を図ったマルチ・マネージャー・ファンドを利用するのも1つの解決策だと思われます。
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以上
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『参考』
超過収益獲得のための主な運用戦略
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デュレーション戦略 |
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デュレーションとは債券価格の金利感応度のことを言います。金利の方向性を予測し、ファンドのデュレーションをベンチマーク比で伸縮させることにより超過収益の獲得を目指す戦略です。
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イールド・カーブ戦略 |
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イールド・カーブ(利回り曲線)の形状はその時々の経済情勢や市場動向を反映してさまざまな形に変化します。その形状変化を予測し、満期構成を変化させることにより超過収益の獲得を目指す戦略です。
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通貨配分戦略 |
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相対的に大きい上昇が見込まれる通貨への投資比率をベンチマークよりも高め、相対的に小さな上昇しか見込めない通貨への投資比率を低めることにより、超過収益の獲得を目指す戦略です。
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セクター・ローテーション(債券種別選択)戦略
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債券は国債、地方債、社債などの複数のセクター(種別)に分類されます。相対的に高いリターンが期待されるセクターへの投資比率をベンチマークよりも高め、相対的に低いリターンしか見込めないセクターへの投資比率を低めることにより、超過収益の獲得を目指す戦略です。
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銘柄選択 |
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相対的に高いリターンが期待できる銘柄への投資比率をベンチマークよりも高め、相対的に低いリターンしか見込めない銘柄への投資比率を低めることにより、超過収益の獲得を目指す戦略です。 |
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留意点:
債券は、金利の変動により価格が変動します。一般に金利が上昇した場合、債券の価格は下落します。また、それらの発行会社の倒産または財務状況の悪化等の影響により、債券の価格は下落します。債券の価格変動または流動性の予想外の低下があった場合、重大な損失を生じることがあります。また、国際分散投資を行う場合、為替変動の影響を受け損失を生じることがあります。
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