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為替リスク、為替ヘッジって何?
~為替リスクとの付き合い方~ |
Vol. 14 |
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質問: |
外国の債券や株式など外貨建て資産に投資する場合、為替リスクをヘッジする方法とヘッジしない方法の2通りがあると聞きました。それぞれの仕組みと、どちらの方法がより適切なのか教えて下さい。 |
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回答: |
為替リスクを負っても為替差益を狙っていきたいと考える投資家には、為替ヘッジをせずに投資する方法が良いでしょう。ただ、為替相場の方向性に賭けて為替リスクを負担する投資によって安定した成果を収めることは困難なのです。一方、為替相場の動きに振り回されることなく、外貨建て資産の運用成果を享受したいと考える投資家には、為替ヘッジをする方が向いていると言えそうです
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「為替リスク」って何? |
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海外の株式や債券など外貨建て資産に投資する場合、為替相場の変動によっては円ベースで見たリターンが現地通貨ベースで見たリターンと異なることがあります。これが「為替リスク」、そしてこのリスクを回避または低減する手法が「為替ヘッジ」と呼ばれるものです。
まず、「為替リスク」について、ドル建ての外国債券に投資するケースを例に考えてみましょう。投資元本を100万円、投資開始時の為替相場を1ドル=110円とした場合、ドル・ベースでの投資元本は9,091ドル(100万円÷110円)です。この9,091ドルを元手に満期までの残存期間が1年、利回りが5%の外国債券に投資すると、1年後の資産額は9,546ドル(9,091ドル+(9,091ドル×5%))、ドル・ベースでのリターンはプラス5%になります。
仮にその時点の為替相場が投資開始時と同じく1ドル=110円であれば、円ベースで見た資産額は約105万円(9,546ドル×110円)、円ベースでもドル・ベースと同じくプラス5%のリターンを得たことになります(下記図1参照)。
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(図1)為替相場:投資開始時と同じ |

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しかし、為替相場が変動している場合には、円ベースで見たリターンはドル・ベースのそれとは異なる水準になってしまいます。例えば、1年後の為替相場が円高・ドル安に振れ1ドル=100円になった場合、円ベースで見た資産額は約95万円(9,546ドル×100円)にしかなりません。ドル・ベースのリターンがプラス5%であっても、円ベースでのリターンはマイナス5%となってしまい、10%もの為替差損が発生します(下記図2参照)。
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(図2)為替相場:円高・ドル安 |

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反対に為替相場が円安・ドル高に振れ1ドル=120円になった場合、円ベースで見た資産額は約115万円(9,546ドル×120円)、リターンはプラス15%となることから、先ほどの例とは逆に10%もの為替差益が発生します(下記図3参照)。
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(図3)為替相場:円安・ドル高 |
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このように、為替相場の変動に伴って円ベースでのリターンが変化し、結果的に為替差損や為替差益が発生する可能性のあることを「為替リスク」といいます。
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「為替ヘッジ」の仕組みとは? |
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では、外貨建て資産に投資しつつ「為替リスク」を回避または低減する方法はないのでしょうか? 為替リスクは将来の為替相場の水準、上記の例では1年後の為替相場の水準が確定していないために生じるリスクです。そこで、1年先にドルを円に戻す為替相場の水準を予め予約し確定させておけば、為替リスクを回避することが可能となります。これが「為替ヘッジ」と呼ばれる手法です。
例えば、投資開始時の為替相場の水準(スポットレート)が1ドル=110円、円の1年金利が2%、ドルの1年金利が5%であったとします。この場合、1年先にドルを円に戻す為替相場の水準(フォワードレート)を1ドル=110円で予約できれば、円金利の2%を上回る5%ものリターンを円ベースで確保できることになります。もし、これが可能であれば誰もがこの投資を行い、1年先にドルを円に戻す予約(ドル売り・円買い)が殺到する結果、フォワードレートは下落(円高・ドル安)し続け、結局はこの投資にメリットがなくなる水準まで下落します。
例えば、フォワードレートが1ドル=108円まで下落した場合の円ベースでのリターンはプラス3%となり、円金利の2%を上回るリターンを確保できるメリットがまだ残っています。さらにフォワードレートが下落し1ドル=106円となった場合には、円ベースのリターンは円金利の2%を下回りプラス1%となってしまうので、誰もそのような投資は行いません。結果、フォワードレートは円ベースでのリターンと円金利とが同じになる水準で均衡します。この場合であれば、円ベースのリターンが円金利2%同水準になるフォワードレート、つまり1ドル=107円に落ち着くことになります。円とドルの金利差3%を狙ってドルへの投資を行い、同時に為替リスクを回避する目的で為替ヘッジを行った場合、フォワードレートはスポットレートよりも金利差3%分だけ円高・ドル安の水準となるため、1年後のリターンは円金利でそのまま投資した場合と同じになるのです(下記図4参照)。
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(図4)為替ヘッジ |

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このスポットレートとフォワードレートの差が為替リスクを回避するために支払われるコスト、「ヘッジ・コスト」と呼ばれるものです。
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為替リスクをヘッジする場合としない場合、どちらが有利? |
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では、為替リスクをヘッジする場合と、しない場合のどちらが有利なのでしょう。その答えは投資家が何を求めるかによって異なります。為替リスクを負っても為替差益を狙っていきたいと考える投資家には、為替ヘッジをせずに投資する方法が良いでしょう。一方、為替相場の動きに振り回されることなく、外貨建て資産の運用成果を享受したいと考える投資家には、為替ヘッジをする方が向いていると言えそうです。
ただ、注意を要するのは、株式や債券と同様に為替相場の変動を正確に予測するのは極めて困難であるという点です。これから国内株式が上昇するとか、外国債券が下落するといった予測は一時的に当たることはあっても、継続的に当て続けることは現実的には不可能といっても過言ではありません。したがって、為替相場の方向性に賭けて為替リスクを負担する投資によって安定した成果を収めることは困難なのです。
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以上 |
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