単純に投資対象の資産の数を比較すると、(A)は3つに対し(B)は6つとなり、(B)の方が分散が働いているようにも見えます。しかし、(A)で言うところの「外国株式」は「米国株式」「欧州株式」「アジア株式」(あるいは「エマージング株式」も加える)の総称 であって、実際には(A)も(B)と同じ地域の株式に投資している、つまり実は呼び方が違うだけで、同じような運用を行っているに過ぎない、とも言えます。このように、投資対象がいかに幅広いかを比較するには、実質的な意味を把握した上で比較検討する必要があります。
資産配分の割合はどのように決めたのか
上記でお話しましたように、資産の配分比率の決定は難しく、慎重を期する必要があります。あるバランス型ファンドは、どういった根拠をもってその配分比率を決めたのか、これは投資を検討する上で重要なポイントです。例えば、為替ヘッジを行わない外貨建て資産の割合が半分以上を占めるバランス型ファンドがありますが、為替の変動に大きく影響を受ける可能性があることを念頭においた方がいいでしょう。また、資産配分比率や投資対象となる資産が将来変わる可能性があるのかどうかについても、確認しておく必要があるでしょう。
その資産配分は自分にとって適切と言えるのか
投資家によって、多少リスクをとってでも高いリターンを狙いたい人、リターンはある程度低くていいけれどもリスクは抑えたい人など、運用の目的は様々です。バランス型ファンドを選択する際には、資産の配分比率が皆様の求めるリスク・リターンの水準に応じたものとなっているのか、確認する必要があるでしょう。一つの目安として、バランス型ファンドに含まれる株式の配分比率を全て足し上げた値、即ち株式配分の比率をファンド間で横並びに比較すると、ちょっとした参考になりそうです。そういう意味では、投資家の好みに合わせて複数の異なる組み合わせを提供しているバランス型ファンドは、ある意味で選択がしやすいのかもしれません。
各資産はどのように運用されているのか
次に、各資産の運用の中身についてですが、まず確認すべきことは、各資産の運用がパッシブ(インデックス)運用、即ち市場並みの収益を目指しているのか、それともアクティブ運用、即ち市場平均以上の収益を目指すのか、どちらの運用となっているのかという点です。パッシブ運用の場合、運用会社によってあまり大きな差は出ませんが、それでも本当に市場に連動した動きをするのか、過去の実績を確認した方がいいでしょう。この場合、市場平均を上回っているからといって、必ずしもいい結果という訳ではありません。パッシブファンドは、本来的に市場の動きとの乖離を極力小さくすることを目指していますので、大きく上回っている場合はむしろ減点評価とも考えられます。
一方で、アクティブ・ファンドの場合は、商品によって収益にかなりの格差が生じる可能性があるため、いかに高い収益を上げる商品を選別するかがとても重要なポイントです。最近のバランス型ファンドを見ると、数多くの投資商品を調査し、その中から優秀な商品を組み入れている商品が多いようですが、こうした個々の商品を選ぶ目が本当に確かなものかの見極めが大切です(但し、実はこれが大変難しい作業ではあるのですが。個々の商品の選び方については、当シリーズ#1「投信ってどうやって選ぶの?」をご参照ください)。
バランス型ファンドへの投資はある程度まとまった資産で
そもそも資産配分というものは、“投資家の有する資産全体の内、どの資産に、どのくらい投資することが適切か”、という視点で考える必要があります。ですので、例えば“保有する資産全体の1%だけをバランス型ファンドに投資して、残りは全て株式や預金のみという場合、全体で見ると、適切な配分とは言い難い”、というケースが往々にして見られます。バランス型ファンドは、資産運用のコアとして、資産全体の中である程度まとまった割合を投資して初めてその効果が期待できるとも言えるでしょう。また、バランス型ファンドに継続的に積み立てていくという方法も、その人に適した投資が継続して行われるという意味において、いいアイデアかもしれません。もちろん、バランス型であれば何でもよいという訳ではなく、自分にあったリスク・リターンの商品を選ぶ必要があることは言うまでもありません。
あなたもバランス型ファンドをうまく利用して、ご自身の目的にあった、長期的に安定したリターンの確保を狙ってみてはいかがでしょうか?
以上
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