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投信を買った後はどうするの?
- その2 運用担当者のスキルをチェックしてみよう -
Vol. 8

質問:

投信を買った後、「運用報告書」で過去の運用実績をチェックするようになりました。でも、せっかく投資するからには、少しでもいい運用成績をあげたいもの。他にできることはありますか?

回答:

その投信を運用する人が本当に高いスキルを持っているのか、そのスキルを十分に発揮できる環境にいるのか、こうした確認を定期的に行うことが肝要です。

投信の「運用担当者」とは、どの銘柄をどの程度の比率で組み入れるのか、新しい銘柄をいつ、いくらで買うのか、既に持っている銘柄をいつ、いくらで売るのか、こうしたことを総合的に判断し実行する人のことを言います。そしてこの運用担当者の腕、つまり「運用スキル」がその投信の成績の鍵を握っていると言っても過言ではありません。同じプロの運用担当者であっても、それぞれが培った経験や知識によりそのスキルには差があります。そしてこの差は、長い期間で見ると運用成績の差となって現れると考えられます。

わたしたちが投信を選ぶ場合に、何に投資する投信なのか(投資対象)、どこで買うことができるのか(販売会社)ということについてはすぐに考えるところでしょう。ところが、運用成績にとっては最も大事で成績の鍵を握るとも言える、その投信が誰によって運用されているのか(運用会社または運用担当者)ということについては、あまり意識されていないことが多いようです。

わたしたちも、せっかく投信に投資する以上は、高いスキルを持つ担当者が運用する投信に投資したいもの。そこで今回は、運用会社(運用担当者)に着目して、今お持ちの投信は優れた運用担当者によってきちんと運用されているのか、その確認作業にトライしてみたいと思います。

高い運用スキルとは
それでは、高い運用スキルとは、一体どのようなものでしょうか?例えば株式運用の場合、市場平均(日本株であれば市場全体の平均値を表す東証株価指数など)を安定的に上回る運用結果を出すためには、今後の成長性に期待でき、収益性が高く、本来の企業価値と比較して割安に取引されている銘柄を的確かつ他の人よりも早く発掘して投資する判断力と行動力が必要です。また、今後の株価上昇が期待できない銘柄は速やかに売却する判断力と行動力も求められます。但し、余りに早すぎると、いつまでたっても芽が出ないこともありますが。この判断力、行動力こそが「運用スキル」であり、このレベルが高い人の運用する投信は、たとえ短期的には市場平均を下回る結果に終わることがあっても、中長期的に見れば市場平均を上回る成績が期待できると考えられます。

このスキルは運用担当者が経験と日々の勉強により磨き上げるものですから、それぞれが専門とする市場や得意とする市場において十分発揮されます。果たして、長年大型株を専門に運用してきた運用者が突然中小型株の担当を割り当てられたら、そのスキルを発揮できるでしょうか?これまで注目していたのとは異なる、聞き慣れない銘柄の中から収益性や成長性のありそうな銘柄や割安な銘柄を売買していかなければならないのですから、少なくともすぐに満足のいく結果を出すのは難しいように思われます。いい成績をあげるには、運用担当者が磨き上げたスキルを十分に発揮できる市場を土俵として勝負していることも大切なのです。

運用スキルをチェックするには?
では、お持ちの投信を運用している担当者が本当に高いスキルを備えているのか、わたしたちはどうやって見極めれば良いでしょうか?見極めの方法としてまず誰もが思いつくのは、その投信の運用成績を確認するということでしょう。でも、過去の実績はあくまで過去のもの。今後の成績を予想するものでは必ずしもないようです(詳しくは、#1 「投信ってどうやって選ぶの?」をご参照ください)。

過去の情報よりむしろ高い運用スキルの有無を見極めるためにわたしたちが欲しいのは、今現在運用担当者がどんな見通しを持って運用しているかという情報ではないでしょうか。「今、その担当者はどんな運用をしているのか」「どうしてその銘柄を保有しているのか」「どうしてあの銘柄は売ってしまったのか」「これからは、どういった点に着目して運用するのか」等の情報を集め、その運用の仕方は本当に優れたものと言えるのかを判断できればその担当者のスキルが計れそうです。もちろん担当者の見通しは時間の経過と共に変化するでしょうし、担当者の変更に伴い運用の方向性が変わる可能性もあるでしょうから、一度きりではなく定期的にこうしたプロセスを踏むことが必要でしょう。

しかし、これらの情報は新聞やウェブなどで広く公開されてはいないようですし、詳しい情報を得るには定期的に担当者に会って直接話を聞くことが必要に思えます。担当者に面会できる機会は個人投資家にはめったにない上、仮に担当者に会う機会があっても、運用の良し悪しを判断するには相当深い理解が必要でしょうから、ハードルはかなり高そうです。


スキルチェックの専門家を利用するという選択肢も

そこで最近様々な運用商品を調査し、どの商品が優れているのか継続的に判断することを専門としたプロの運用機関調査会社が出てきました。こうした調査会社は、個人投資家と比べるとその情報の豊富さと分析能力において勝っていると言えそうですが、その方法は単に過去の運用実績だけで判断しているところから、運用担当者と実際に面談した上で判断するところまで実に様々です。ただこれまでお話しましたように、運用商品の調査には数字だけでは測ることができない側面があることは、大切なポイントのように思えます。
たくさんの投信の中からどの投信を選べばいいのか良く分からない場合、「運用商品調査のプロ」が推奨する投信を選ぶのも一つのいい選択肢かもしれません

以 上

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